「もう年齢的に無理かも」「更年期だし、痩せたいなんて贅沢なのかな」——。
これは、私の元に寄せられる更年期世代の女性からの相談で、最も多い言葉です。ダイエットに何度も挑戦し、そのたびに一時的には体重が落ちるものの、気づけばリバウンド。むしろ前より太ってしまい、自己嫌悪と諦めが積み重なっていく。
でも、私はダイエット専門家として、そして数えきれないほどの現場を見てきた一人の女性として、はっきり言います。
更年期でも「また痩せたい」と思っていい。むしろ、そう思えること自体が、人生を立て直す第一歩です。
更年期ダイエットがうまくいかない本当の理由
更年期に入ると、ホルモンバランスの変化により、若い頃と同じダイエットが通用しなくなります。これは医学的にも心理学的にも、非常に自然なことです。
ホルモン変化と「努力が報われない感覚」
エストロゲンの減少は、脂肪を溜め込みやすくし、筋肉量を減らします。つまり、同じ食事量・同じ運動量でも、太りやすく、痩せにくい体になる。
ここで問題なのは、「こんなに頑張っているのに痩せない」という感覚が、強烈なストレスになることです。
ストレスはコルチゾールを増やし、さらに脂肪を溜め込み、甘いものへの欲求を強めます。結果として、ダイエット→挫折→暴食→リバウンドという負のループに入ってしまうのです。
「痩せたい=悪」という思い込み
更年期世代の女性は、とても真面目です。家族のため、職場のため、自分より他人を優先して生きてきた方が多い。
だからこそ、「この年で痩せたいなんて、わがままかもしれない」「もう若くないのに、見た目を気にするのは恥ずかしい」という無意識のブレーキがかかります。
しかし心理学的に見ると、「欲求を否定するほど、反動は大きくなる」ことが分かっています。
痩せたい気持ちを押し殺せば押し殺すほど、ある日突然、食欲が爆発し、リバウンドという形で現れるのです。
【赤裸々体験談】私が更年期でリバウンドを繰り返した日々
ここからは、少し恥ずかしいですが、私自身の体験談を正直に書きます。
私は30代後半から、ずっとダイエットをしてきました。糖質制限、置き換え、ファスティング、サプリ……流行ったものは一通り試しました。
確かに、一時的には痩せました。体重計の数字が減るたびに、「やっぱり私、まだいける」と思えた。
でも、50歳を前にして状況は一変します。
少し食べただけで体重が増える。以前なら2〜3日で戻っていた体重が、全く戻らない。むしろ増え続ける。
鏡に映る自分のお腹を見て、思わず目を背けました。
「また失敗した」
「どうせ私なんて、痩せたいって思う資格もない」
そんな思考が頭を支配し、夜になると無性に甘いものが欲しくなる。チョコを一つだけのつもりが、気づけば空き箱。
翌朝、罪悪感と自己嫌悪でいっぱいになり、また極端なダイエットを始める。
この頃の私は、完全に「リバウンド体質」でした。
会議室ではなく「現場」で起きていたリアル
マスコミや雑誌には、「更年期は代謝が落ちるから運動しましょう」「食事を見直しましょう」と簡単に書いてあります。
でも、現場は違います。
仕事、家事、親の介護、夫との関係、子どもの独立。心が常に疲れている状態で、完璧な食事管理や運動なんて、正直無理です。
私はその現実から目を逸らし、「できない自分」を責め続けていました。
更年期ダイエット成功の鍵は「リバウンド前提思考」
転機になったのは、「リバウンドを防ぐ」のではなく、「リバウンドは起きるもの」と認めたことでした。
心理学で見る「完璧主義ダイエット」の危険性
心理学では、完璧主義の人ほど挫折しやすいことが分かっています。
「一度でもルールを破ったら終わり」
「また太った=失敗」
こうした思考は、自己効力感を一気に下げ、行動を止めてしまいます。
更年期ダイエットでは、失敗しないことより、戻ってこれることが重要です。
私が実践した「戻れるダイエット設計」
私は次の3つだけを決めました。
- 体重が増えても、絶対に自分を責めない
- 増えた理由を「分析」するだけで終わらせる
- 翌日は、元の生活に静かに戻る
これだけです。
すると不思議なことに、暴食が減り、体重の増減幅が小さくなっていきました。
「痩せたい」と思う気持ちを否定しないことで、心が安定し、結果的にリバウンドしにくくなったのです。
匿名相談にズバリ回答①〜③
Q1:更年期で何をしても痩せません。本当に痩せたいと思っていいのでしょうか?
A:もちろんです。痩せたい気持ちは、生きる意欲そのものです。我慢させるほど、リバウンドは強くなります。
Q2:またリバウンドするのが怖くて、ダイエットを始められません
A:怖いのは正常です。だからこそ「リバウンドしても戻れる設計」を先に作ることが重要です。
Q3:周りから「もう年なんだから」と言われます
A:年齢と体型は別問題です。年齢を理由に諦めさせるのは、他人の価値観です。
更年期ダイエットで多くの人がやってしまうNG行動
更年期で「痩せたい」と思う女性ほど、実は同じ失敗を何度も繰り返しています。私自身もそうでしたし、匿名相談で寄せられる内容も、驚くほど共通しています。
NG① とにかく食べないダイエット
「もう代謝が落ちているから、食べたら太る」
そう思って、朝食を抜いたり、1日1食にしたりする方が非常に多いです。
しかし心理学的にも生理学的にも、我慢が強いほど反動は大きくなることが分かっています。
食べない時間が長いほど、脳は「危機状態」と判断し、次に食べられるタイミングで脂肪を溜め込もうとします。
結果として、一時的に体重は落ちても、必ずリバウンドしやすい体になります。
NG② 若い頃の成功体験にしがみつく
「昔はこれで痩せたから」
この言葉も、更年期ダイエットでは要注意です。
ホルモン環境が変わった今、20代・30代の方法をそのまま使うのは、別の体で同じ薬を飲むようなもの。
効かないどころか、副作用(強いリバウンド・自己否定)だけが残るケースが多いのです。
NG③ 体重だけで一喜一憂する
更年期では、むくみ・便通・睡眠・ストレスの影響で、体重は簡単に上下します。
それを「太った」「失敗した」と判断してしまうと、心が先に折れてしまいます。
体重はただの数値。評価ではありません。
更年期でもリバウンドしにくくなる具体的改善方法
ここからは、私自身と多くの女性が実践して「戻れた」方法を具体的に書きます。
改善①「痩せる」より「戻れる」を目標にする
更年期ダイエットのゴールは、「最短で痩せる」ではありません。
太っても戻れる自分を作ることです。
体重が増えたときに、
- 暴食に走らない
- 極端な制限をしない
- 淡々と生活を整える
これができるようになると、結果的に体重は安定していきます。
改善② 食事は「減らす」より「分ける」
更年期では、一度にたくさん食べるより、回数を分ける方が血糖値が安定します。
3食+間食1回くらいを目安に、「空腹で限界」を作らないことが重要です。
空腹が暴食の引き金になることを、何度も現場で見てきました。
改善③ 自分を責める言葉を減らす
心理学的に見ると、言葉は思考と行動を強く縛ります。
「また太った」「私ってダメ」
こうした言葉を使うほど、脳はストレスを感じ、食欲でバランスを取ろうとします。
代わりに、
「増えた理由は何かな」
「ここから戻せばいい」
この言葉だけで、行動は驚くほど変わります。
【赤裸々体験談】「痩せたい」と認めた瞬間に変わったこと
私が一番変わったのは、「もう痩せなくていい」と諦めるのをやめたときでした。
以前の私は、「どうせまたリバウンドする」「期待しない方が楽」と自分に言い聞かせていました。
でも本音では、ずっと痩せたいと思っていた。
その矛盾が、心を一番疲れさせていたのです。
「また痩せたいと思っていい」
そう認めた瞬間、食事も体重も、不思議と落ち着いていきました。
結果として、急激ではありませんが、体型は少しずつ変わり、リバウンドの恐怖も薄れていきました。
匿名相談にズバリ回答④〜⑧
Q4:更年期でお腹だけが痩せません
A:ホルモンとストレスの影響が大きい部位です。全体の安定が先で、部分痩せは後からついてきます。
Q5:家族にダイエットを邪魔されます
A:邪魔されているのではなく、今まで通りを求められているだけ。自分の優先順位を少し上げて大丈夫です。
Q6:モチベーションが続きません
A:続けようとしなくてOKです。戻れる仕組みを作る方が大切です。
Q7:運動しないとダメですか?
A:必須ではありません。まずは生活リズムと食事の安定が先です。
Q8:本当に更年期でも痩せられますか?
A:はい。ただし「若い頃と同じ痩せ方」を手放した人から、安定していきます。
まとめ:更年期でも「痩せたい」は人生を取り戻す合図
更年期でダイエットがうまくいかないのは、あなたの意志が弱いからではありません。
体と心のルールが変わっただけです。
痩せたい気持ちを否定せず、リバウンド前提で設計し直す。
それだけで、ダイエットは「苦行」から「生活の一部」に変わります。
更年期でも、また痩せたいと思っていい。
その気持ちは、これからの人生を大切にしたいという、まっとうな欲求なのです。
